冴えない社会人の恋人探しの旅

冴えないサラリーマンのリアルを綴る。雑記多め。名古屋→東京へ転職を機に帰還。彼女探しの旅なう

【言の葉の庭】雨の日に観たくなる映画

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せっかくの日曜日なのに、
生憎の雨模様。


あー明日から仕事行くの嫌だなー。


そんなときだからこそ、
しっとりとした映画を観たくなるのは
僕だけか?


梅雨時期になると、無性に観たくなる映画
言の葉の庭は老若男女問わずオススメしたい。


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※アマプラで見れます!


言の葉の庭は新海監督の短編映画。


46分とサクッと観れることや、
7年前に公開されたとは思えない
綺麗な映像は圧巻なので是非雨の日に観て欲しい。


特に水と雲の描写は繊細で美しい。
舞台となる新宿御苑もありのまま
綺麗に描かれている。


簡単なあらすじを載せておく。

また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら―。雨の朝、静かな庭で2人は出会った。靴職人を志す高校生の孝雄と、いつもビールを飲んでいる謎めいた年上の女性・雪野。迷いながらも前に進もうとする2人は、どこへ足を踏み出すのか。


少し年の離れた男女が雨宿りで出会う物語だ。



『天気の子』と同じく「雨」がテーマ。


2作品とも『雨の日の新宿』を描いているのだが、
全くテイストが違う。
【朝の新宿御苑【夜の歌舞伎町】


時間帯や場所がちょっとだけ変わるだけで、
全く違う印象を持ってしまう。


この辺りは新海監督の上手さであり、
雨が持つ神秘さなのかもれしれない。


また、万葉集の一篇と新宿御苑との組み合わせが
マッチしていてお洒落だった。







以下はネタバレありの感想になるので、
まだ観てないよーって方は注意。










靴職人を目指して一生懸命にがんばる孝雄が
雪野と出会って、恋をして一歩ずつ大人へと
成長していく姿が良かった。


いじめにより、職場に行けなくなってしまった雪野
に対して、きちんと前を向いて歩けるように
靴を作ってあげる優しさや真っ直ぐな心。
反対に恋愛に対しては不器用な面があったりと
大人びているように見えるものの、
子どもっぽい一面もあり、そこがまたいい。


年齢も境遇も全く違う2人だが、
同じように不安や孤独を抱えている。
そして不器用な一面がある。


だからこそお互い惹かれあったのではないか。


雪野は、前述の通り、ある出来事がきっかけで、
虐められてしまい、職場に行けなくなってしまう。


もの凄く繊細な心の持ち主。


五月病や気象病という言葉があるように、
梅雨時期は心を病んでしまう社会人が多い。


現代社会で疲弊している社会人にも雪野の気持ちが
共感できる部分を多いのではないか。


そんな雪野も孝雄に出会って、
孝雄の純粋な優しさや温かさに触れて、
やっと自分の気持ちに正直になることができた。


短歌を使って思いを伝えることしかできなかった
雪野が、裸足で孝雄を追いかけて思いをぶつけるシーンは、靴なんかなくても1人で強く歩けるようになったことが暗示されている。


結果的にはお互い離ればなれになるものの、
それぞれが前を向いて歩き始めて、物語は終わる。


不器用な2人が短歌に乗せて思いを伝えるシーンは
思わず胸がギュッとなった。


ここまでは良かった部分の感想。


筆者は雪野と同年代であるので、
どちらかというと雪野目線で物語を見ていたのだが
共感できない部分も多かった。


雪野の有名なセリフ


「あの場所で私、あなたに救われてたの」


高校生のような若い子たちから、
エネルギーをもらったり、
何かに気付かされることはあるけれど、
救われる感覚っていうものがあまり分からない。


現に孝雄が作った靴がなくても1人で歩けるようになったわけだし、確かに歩けるキッカケになったのは孝雄かもしれないが、孝雄が直接的に救ったというよりは、自分の気持ちに整理がついただけ。


そして、折角お互いが思いをぶつけたことで
両思いになれたのかと思えば、
結局雪野の方が持っていった感情が恋ではなかったというオチもなんだか切ない・・・


ラストシーンで手作りの靴がポツンと置かれるのがより一層恋の切なさを掻き立てている。


雪野にとって孝雄という存在は何だったのか。


これから一緒に歩いていく存在というよりは、
雨の日に傘を差してくれた存在だったのかもしれない。それなら靴を渡さなかったことも頷ける。


クライマックスは少し残念な気もしたが、
短編映画だからしょうがないか。


あと新宿御苑が舞台だったのは良かったけど、
ビールとチョコレートって。。。


心落ち着く場所でビールとチョコレートを嗜むことが唯一心の救いになっていたのかもしれないが、
新宿御苑のイメージとかけ離れすぎていて。


どちらかと言えば近くにある花園神社の方が
ビールにチョコレートっていうイメージだ。


筆者的にはやっぱり『天気の子』の方が
全体的に共感できたし、好みである。


kakusyakaijin.hatenadiary.jp



ストーリーというよりも芸術作品として観るほうが意外としっくりくるのかもしれない。