冴えない社会人の恋人探しの旅

冴えないサラリーマンのリアルを綴る。雑記多め。名古屋→東京へ転職を機に帰還。彼女探しの旅なう

【泣きたい私は猫をかぶる】映画を観て夏の訪れを感じる

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最近やたらとYouTube広告で
流れてくる映画の予告。


『泣きたい私は猫をかぶる』


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本来は劇場公開するはずだった映画らしいのだが、
コロナの影響で上映が延期&中止に。


急遽ネトフリでの配信になったとのこと。



「猫になって、大好きな人に会いに行く。」


予告を見た感じやとすごく面白そう。
テーマが素晴らしい!


ヒロインの声が志田未来花江夏樹なのもいいね。


タイトル名のセンスと主題歌のヨルシカにも
惹かれて鑑賞。


テラハが配信中止になって、ネトフリ自体の解約も考えていたが、こういう独占配信映画がもっと増えてくれれば嬉しいな。


率直な感想から話すと、
中高生向けのよくある映画だったけれども、
夏を感じさせてくれる甘酸っぱい青春映画だった。


映画館にお金を出して見に行くかと言われると
正直微妙な気もするけど、作画も綺麗だし
ネトフリで観られるなら大満足の作品だと思う。


以下はストーリーについての考察・感想になるので未鑑賞の方は注意。









あらすじ

私はあなたの力になりたい。好きって言われたい―笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった…。それは、猫の姿になって大好きな日之出に会いにいくこと。実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、いつしか太郎は日之出の支えになっていた。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる…このままずっと、あなたのそばにいたい。でも、≪私≫に戻ることができなくなる――自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。



「複雑な家庭問題」「いじめ問題」「寿命」


明るい雰囲気のストーリーである反面、
少し重めの社会的テーマが散りばめられている。


タイトル名にある通り、周りに素直になれなくて
猫を被っている自分やそんな自分が生きている社会に対して疲弊してしまった経験はないだろうか?


現実から逃れるために、
誰からも可愛がってもらえて、
自由気ままにに生きているように見える
猫になってみたい。

そんな願望や妄想を覚えたことはないだろうか?



先述したが、テーマ自体は本当に素晴らしい。


血の繋がっていない親子である美代のことを理解しようと努力する父の再婚相手の薫


猫になってしまい行方不明になった美代を思い、
ひとり探し続ける親友の頼子


自分の残りの寿命を悟り、
人間になって、飼い主である薫をこれからも側で支えたいと願う飼い猫のきなこ



「家族愛」「友情」「ペットと飼い主の絆」
目頭が熱くなるようなテーマばかり。


それぞれのテーマがもっと深掘りされていれば、
この映画は確実に感動必至の名作になったと思う。



しかしながら筆者は泣けなかった。



何故か?


浅い。浅すぎるんだ。
どれも中途半端な深掘りのまま
エンディングを迎えてしまった。


映画のオチは近年の流行りでもある
ボーイミーツガールのハッピーエンド。


多分、他の人も感想として挙げると思うけど
ジブリ新海誠のエッセンスを加えすぎ。


まるで『猫の恩返し』と『千と千尋の神隠し』を
足して割ったかのような猫島の世界感。


まるで『君の名は。』のような入れ替わりにより、お互いの想いがこじれてしまう恋愛模様


まるで『天気の子』のようなストーリー展開。


特に天気の子が大ヒットしたからって
乗っかってる感がすごい。


日之出が雨の中、鳥居の中をくぐって異世界に美代を救いにいく下りとか、美代を救えるなら世界がどうなってもいいと叫ぶ下りとか完全に既視感。


ヒットしたアニメ映画の要素を盛り込んだ、
二番煎じの安っちい映画に成り下がっている。


猫島のシーンとか格闘シーンとかは、
映画の尺を考えるといらなかったと思う。
(若年層を意識する上で必要だったのかもしれないが)


中盤までは良かったのに、内容を詰め込みすぎて、
最後にはやっつけ感まで垣間見えてしまう。


薫やきなこや頼子のエピソードに
もっと尺を充てて欲しかった。


ここまで悪い要素ばかり書いてしまったが、
良かった部分も勿論ある。


美代ときなこが別の存在へと入れ替わり、
本来の自分を失ってからはじめて、
自分の居場所や役割に気付けたこと。


美代は人間としての自分を日之出や頼子や父や薫が
探してくれていること。


きなこは飼い猫としての自分を薫がずっと探してくれていること。


ありのままの自分を必要としてくれる存在や
帰る居場所があること自体が、
当たり前すぎて普段気づくことができない
幸せのカタチなのだと思えた。


実はこれが1番の収穫だったのかもしれない。
(ちょっぴり実家に帰りたくなった。)


また、この映画は愛知県の常滑市
舞台となっている。


愛知県に住んでいても、常滑についてのイメージは
イオンモールやりんくうビーチ、セントレア空港
ぐらいしか思い浮かばない。


伝統ある常滑焼きとか素敵な街並みとか
新しい魅力を再発見できたことも良かった。


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今度行ってみようかな。


海や花火など夏の匂いが画面越しに
香ってくるようなそんな素敵な映画だった。


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